【4月】春夜喜雨
(『看図読古詩(修訂版)』, 金盾出版社, 1994年より)
【大意】
よい雨は、その降るべき時節を知っており、春になると降り出して、万物が萌えはじめる。雨は風につれて、ひそかに夜中まで降り続き、万物を細やかに、音も立てずに潤している。
(石川忠久編『漢詩鑑賞事典』講談社学術文庫,2009年より)
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これは元の詩の前半の四句であり、杜甫五十歳の作、成都郊外の浣花草堂で、春の夜の雨の風景と喜びの心情をうたっています。杜甫は草堂の周りの荒れ地を開墾し、子ども達と釣りに興じたりして、自然を楽しみ、その中に入り込んでいたといいます。
春の細やかな雨と、時に嵐のような天候が続いていますが、いずれにしてもその雨のおかげでお花はもちろん、街の木々も芽吹きが次々に進み、自然の息吹を日々感じさせてくれる今日この頃です。この詩は、そうした春の雨と自然の喜びを実感させてくれる作品ですね。