【12月】邯鄲冬至夜思家
(『看図読古詩(修訂版)』, 金盾出版社, 1994年より)
【大意】
旅の途中、邯鄲の宿場で冬至を迎えた。膝を抱えて灯火の前に坐ると、影だけが私に寄り添ってくれる。
思い浮かぶのは、今頃、家ではまだ眠りもせず、今また遠くに旅している私のことを話し続けているのが。
(漢詩歳時記 冬 黒川洋一他編 同朋舎より)
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白居易、二十代後半、進士及第以前の作と言われています。膝を抱いて一人ぼっちで宿に泊まっているのは、まだ出世していない時代だからと思われます。
冬至の夜、旅の宿において、一人膝を抱えて故郷の家を思う。
いつの世も、同じ状況、同じ気持ちになり、時を超えて共感できるのではないかと思います。