中国語の部

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毎月一首


【1月】江雪


(『看図読古詩(修訂版)』, 金盾出版社, 1994年より)

【大意】
 どの山々にも飛ぶ鳥の影は絶え、どの小径にも人の足跡は消えた。ただ一そうの小舟、蓑笠をつけた老人。老人は一人で雪の降りしきる川面に釣り糸を垂れている。
(石川忠久編『漢詩鑑賞事典』講談社学術文庫,2009年より)

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 柳宗元(773-819)は少年時代から神童の誉れ高く、21歳で進士に及第、数々の役職を歴任したが、33歳の時に順宗の信任を得て政治改革等に乗り出すが、その後政争に敗れ、南方へと左遷、転任させられる。この詩はその時代の作で、孤独な作者の境遇と、孤独にひたすら耐える作者の心とを一枚の画幅に託してうたったものといわれています。
雪のみが舞う白一色の世界。その画面に点じた、ただ一点の黒い影は、川面に浮かぶ舟と蓑笠を着けて釣り糸を垂れる老人の姿。墨絵のように淡々とした情景です。動くものは降りしきる雪だけ。舟の上の老人も釣り糸の一点に目を据えたまま、じっとしている。厳しい静の世界です。

 

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