【3月】賊得古原草送別
(『看図読古詩(修訂版)』, 金盾出版社, 1994年より)
【大意】
ふさふさと垂れ下がった野原の草は、一年に一度、枯れていたのがまた栄える。野火で焼けても根は絶えず、春風の吹く頃にはまた生えてくる。
はるか彼方、芳しい草は旧道の上に伸び広がり、緑の色も鮮やかに、荒れ果てた都の城壁に続いている。
こうしてまた、遠く旅立つあなたを送る。あおあおと茂った草にも別れを惜しむ情が満ちみちている。
(松枝茂夫編『中国名詩選』下 岩波文庫,1986年より)
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白居易(772-846)は下けい(今の陝西省渭南県)の人。二十九歳で進士に及第、数々の役職を歴任し、晩年は洛陽に閑居しました。この詩は「古原の草」という題を与えられて作ったもの。題を与えられて作る場合は、題の上に「賦得」の二字を付けます。作者15、6歳の時の作といわれます。全詩は八句で、これは前の四句です。
とてもストレートで、力強さを感じさせてくれます。「人間万事塞翁が馬」、自然に学び、へこまないで挫けないで、時期を待って、また立ち上がりましょう!