【9月】望岳
(『看図読古詩(修訂版)』, 金盾出版社, 1994年より)
【大意】
泰山とは、そもそもどのような山なのか。斉の国から魯の国にまたがり、山の青さは尽きることがない。天地創造の造物主は、比類のない霊妙を集め、泰山の南(陽)と北(陰)とでは夕方と明け方を異にするほどである。わが胸を動かすのは、重なり合った雲が湧き上がってくるさまで、目を大きく見開けば、ねぐらに帰る鳥が山影に吸い込まれていく。必ずやこの泰山の頂上をきわめて、周囲の群小の山々を、一望に見下ろしてやるのだ。
(『詩詞世界』碇豊長の詩詞より)
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この詩は杜甫(712-770)の若い頃(25歳頃)の作品と言われています。泰山を眺めつつ、司法の群小の山々を見下ろす泰山のようになりたいと願う、作者の一種の野望のようなものを感じさせる、若々しいエネルギーに溢れた詩です。
秋、空高く、山登りにも、とてもいい季節ですね。さて、山の空気を感じながら、皆様はどのような思いをお持ちになるのでしょうか♪