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毎月一首


【4月】黄鶴楼


(『看図読古詩(修訂版)』, 金盾出版社, 1994年より)

【大意】
 昔の伝説の中の仙人は黄色い鶴に乗って去ってしまい、今、この地には、その伝説を伝える黄鶴楼だけが取り残されたようにあるばかり。黄鶴は仙人を乗せて、一たび去ったらもう再び返ってくることはない。ただ白雲だけが千年の昔も今も変わらぬ姿で何のかかわりもなげに、はるかな大空にポッカリ浮かんでいる。晴れ渡った長江の向こう岸には、くっきりと漢陽の街の木々が見える。長江の中洲にはかぐわしい花の咲く草がおい茂っている。あそこは後漢の文人禰衡(でいこう)にちなむ鸚鵡洲。昔をしのぶうちにもやがてたそがれて、ふとわが故郷は、と見やれば、川面に夕靄がたちこめ、望郷のうれいは胸をひたす。
(石川忠久編『漢詩鑑賞事典』講談社学術文庫,2009年より)

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 この詩は、湖北省武漢にある長江を臨む黄鶴楼を詠った詩です。「黄鶴」という言葉が3回も使われ、仙人や歴史上の人物が登場し、そこから長江を眺めていると、本当に時空を超えて、不思議な感覚を覚える素晴らしい場所です。また、黄鶴楼の姿そのものが、まさに黄色い鶴という名にふさわしく、今にも飛び立ちそうな躍動感あふれる建物です。
  私が黄鶴楼へ行ったのはもう30年以上前のことですが、おそらくそんな時間はとても短く感じられる遥か昔を彷彿とさせる魅力を持つ場所だと思います。どうぞ一度、訪ねてみてください。但し、中国の「三大火炉」に数えられる真夏の武漢(ほかは南京・重慶)はかなり暑いので、どうぞくれぐれも熱中症にはお気をつけて!

 

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