【8月】飲湖上初晴後雨
(『看図読古詩(修訂版)』, 金盾出版社, 1994年より)
【大意】
さざなみを浮かべた水の光は、晴れ渡った今こそまさにすばらしい。一方、霧のように山を包んだ雨の景色も、またひときわの眺めだ。晴れても雨でも美しい西湖の姿を、いにしえの越の美女西施(せいし)にたとえてみるならば、薄化粧、たんねんな化粧、なべてみな風情がある。
(石川忠久編『漢詩鑑賞事典』講談社学術文庫,2009年より)
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西湖はご存知杭州の有名な湖ですが、季節ごとにその美しさを楽しめる西湖に、どんなお化粧、どんな表情をしても美しい絶世の美女西施を重ねてたとえるとは、さすが蘇軾と思わせる名詩ですね。夏の湖畔も涼しげですが、秋の西湖もまた格別です。旅にはいい季節ですね。