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毎月一首


【6月】黄鶴楼


(『看図読古詩(修訂版)』, 金盾出版社, 1994年より)

【大意】
 昔の伝説の中の仙人は黄色い鶴に乗って去ってしまい、今、この地には、その伝説を伝える黄鶴楼だけがとり残されたようにあるばかり。黄鶴は仙人を乗せて、一たび去ったらもう再び返って来ることはない。ただ白雲だけが千年の昔も今も変わらぬ姿で何のかかわりもなげに、はるかな大空にポッカリ浮かんでいる。晴れわたった長江の向こう岸には、くっきりと漢陽の街の木々が見える。長江の中洲にはかぐわしい花の咲く草がおい茂っている、あそこは後漢の文人禰衡(でいこう)にちなむ鸚鵡洲。昔をしのぶうちにもやがてたそがれて、ふとわが故郷は、と見やれば、川面に夕靄(ゆうもや)がたちこめ、望郷のうれいは胸をひたす。
(石川忠久編『漢詩鑑賞事典』講談社学術文庫,2009年より)

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 この詩では前半三句で黄鶴を3度繰り返し、心地よいリズムが生まれ、詩の中の幻想世界へと引き込まれていきます。実際私も以前、黄鶴楼へ行ったことがありますが、本当に鶴が飛び立つような、美しく印象的な楼閣です。今、コロナ禍が世界中に広がり、大変な状況になっていますが、元々はこの詩の舞台となっている武漢が発端と言われています。街はロックダウンされ、人々は大変な状況の中からすでに立ち上がっていますが、その後もいろいろな風評被害等に苦しめられていると聞いています。どうかまたいつか武漢を訪れ、この美しい楼閣に上り、眼下に長江を眺められる日が来ることを心から願っています。

 

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