中国語の部

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毎月一首


【11月】李商隠 「楽遊原」


(『看図読古詩(修訂版)』, 金盾出版社, 1994年より)

【大意】
 夕暮れが迫ってくると、なぜか心が動き、じっとしていられなくなる。車を走らせて気がついてみると、長安の街を一気に駆け抜け、古くからの行楽地である楽遊原の丘に登っていた。目の前の夕日は、すべてを包み込むようにして、限りなく美しく輝いている。だが、待てよ、この夕陽には、たそがれの闇が音もなく忍び寄ってくるのだ。
(石川忠久編『漢詩鑑賞事典』講談社学術文庫,2009年より)

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 ある日の黄昏時の、胸に沸き起こる理由のない苛立ちと、とらえどころのない不安とを直截的にうたった作品です。大きく真っ赤に輝く夕陽の美しさと力強さ、しかし黄昏時ゆえ間もなく沈んでしまう運命にある危ういバランスが、却って大きな感動を生んでいます。 今、還暦を過ぎ、人生の黄昏時を迎えているわが身にも、そうした緊張感がひしひしと伝わってきて、いろいろ考えさせられる名作であると改めて思います。

 

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