【7月】望廬山瀑布
(『看図読古詩(修訂版)』, 金盾出版社, 1994年より)
【大意】
太陽がさんさんと香炉峰を照らしていて、山は紫色にけぶって美しい。はるか彼方に一大瀑布、長い川を立てかけたように流れ落ちているのが見える。その滝の勢いは飛ぶようにものすごく、まっすぐに三千尺も流れ落ちる。まるでそれは天の川が天空から流れ落ちるのではないかと思われるばかりである。
(石川忠久編『漢詩鑑賞事典』講談社学術文庫,2009年より)
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いよいよ長い梅雨明けとなりましたね。夏が来ると、いつもこの詩が思い浮かびます。暑い夏、廬山の滝はまさにものすごい水量で、近づくと水煙で服が濡れてしまうほどの勢いで、その時の感覚は、今でもはっきりと覚えています。それを「飛流直下三千尺、疑うらくは是銀河の九天より落つるかと」と、このようにわずか14文字でその壮大なスケールを表現する李白の発想と才能には、本当に脱帽です。日本にも名瀑がたくさんありますが、廬山は是非一度、訪れていただきたいところです。