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毎月一首


【七月】嫦娥


(『看図読古詩(修訂版)』, 金盾出版社, 1994年より)

【大意】
美しくきらびやかな雲母をちりばめた屏風に、ともしびが深い影を落としている。
夜は更けて、天の川も次第にうすれ、明け方の星も消えはじめた。
夫に隠れて不老不死の薬を飲み、とうとう月世界へ行ってしまった嫦娥は、きっとそのことを悔やんでいることだろう。
澄み切った青い海、青い空。それを前にして夜ごと涙にくれていることよ。
(石川忠久編『漢詩鑑賞事典』講談社学術文庫,2009年より)

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 嫦娥は古代伝説上の女性。弓の名手である夫の「げい」が仙女・西王母からもらった仙薬を、こっそり飲んだために身が軽くなり、月世界まで飛んで行って月の女神となったといわれます(『淮南子』覧冥訓)。愛する男に裏切られた女性の心を嫦娥に託してうたっているとされますが、一説には李商隠を裏切ってさる高官のもとに走った女性に対する恨みをうたったものともいわれています。もしそうなら作中の女性は李商隠ということになります。
 結句の「碧海青天夜夜心」は、何とも印象的。青い海、青い空、長い長い夜の時間、そこに浮かぶ金色の月と天の川・・・。不思議な魅力と余韻に思わず引き込まれそうな感じがします。

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